エドゥアルド・デ・フィリッポ戯曲集 B

幽霊たち(1946年)

実在しないお向かいさんと話しながらコーヒーを入れるエドゥアルドを知らないイタリア人は居ないほど有名、見事な演技!
パスクワーレ・ヤコノはケチでしたたかな男なのか、それともただ本当に純粋なだけの男なのか…。幽霊が出ると巷で噂されている、十七世紀頃の立派な屋敷。その噂を暴くことで破格の賃貸契約を交わしたパスクワーレ・ヤコノは、何も知らされていない若妻マリアと引っ越してきた。管理人が語る噂話の暗示にかかってしまったパスクワーレは、部屋で出くわした妻の愛人アルフレードを幽霊だと思い込む。愛人から妻に届けられるプレゼントを幽霊からの恵みだと信じ込んでいるのか、それとも二人の関係を承知の上で受け取っているのか…。こっけいさと苦さの中に現代にも通ずる〈悲劇〉を描いている。