エドゥアルド・デ・フィリッポ戯曲集 D

サニタ地区の”ゴッドファーザー”(1960年)

エドゥアルドの最高傑作と言われている作品…
下町サニタ地区で起こる民衆のもめごとを公平な立場から、自らの法律に従い治めるアントニオ・バラカーノは“ゴッドファーザー”と慕われている。ある日、 理不尽な父親と勘当されて憔悴しきった息子との仲違いを取りなそうとして、アントニオは重傷を負ってしまう。医者のファビオ・デッラ・ラジォーネは三十五年間も彼の片腕として仕えてきたが、そんな人生に終止符を打ちたいと思っている。 アントニオはファビオに自然死であるという死亡診断書を書かせる。それは、血の繋がった家族同士の復讐の連鎖を起こさないためだった。彼が解決してきた加害者、被害者を招いての最期の晩餐で、 “ゴッドファーザー”は息絶えるのだが、すべてのいきさつを知っているファビオは立ち上がる…。義理人情に厚い“ゴッドファーザー”を取り巻く人間の思惑や生々しい感情が描かれている。